定額法と定率法なら・・・
サラリーマンが不動産投資をするときの減価償却は定額法か定率法の選択をすることになりますが、これはどちらかというと、前者を選択した方が良いと考えられます。
以下に理由を示しますが、ケースによって異なることにはなるので慎重に考えるようにすべきでしょう。
ただ、前提条件として平成28年度の税制改正によって、平成28年4月1日以後に取得する物件については定率法を廃止し定額法のみの方法によるという改正が行われましたので、この時以前の物件に関して選択できる場合についてはという条件があることになります。
そもそも定額法とは
定額法とは償却費の額が毎年同額で均等になる償却方法となっています。
1000万円の物件であれば、これを10年で償却するという場合には毎年100万円の均等な償却となるのがこの考え方。
これに対して定率法では毎年償却する金額が減っていくという考え方になります。
上記と同様の1000万円の物件を10年で償却する場合には初年度が200万円、次の年が150万円でさらに次の年は120万円というように変わっていくのがこの方法という事。
これらの方法の違いが税制にどういう影響を与えるのかという事が問題になるわけですが、減価償却をするという事は、それを経費して使いましたという事にするわけですから、この金額が高いほど税金が節税できるという事になるわけです。
日本の税金は累進課税の制度がとられており多くの収入を獲得するほど高い税金がかけられるシステムとなっているといってよいでしょう。
ということは、この課税のシステムから言うと税金が高い時、つまり多くの収入があると考えられる時に高い減価償却の方法を利用した方が良いという事が分かるはずです。
不動産投資で利益が出てくるのは減価償却が進んだ後半の方ですから、その時に税率が高くなるので定額法の方がより節税効果を期待することが出来るという事になるわけです。
ケースバイケースで選択することが大事
ただし、この考え方は常に通用するというわけではありません。
場合によっては定率法の方が良いというようなケースもないわけではありませんから、これを選択することが出来る場合には慎重に計算をして自分にとってメリットがある方を選択することが大切になります。
サラリーマンのような方が不動産投資をしている場合には、収支がとてもシンプルなので、大方の人が上記の事例にあてはまると考えられますから、このように記したわけです。
事業者のような人が投資をしている場合には、収支が大きく変化していることも考えられますから、その時に対応して考えた方が良い事も多いはずです。
最も事業者の場合はこうしたことは税理士が考えて最適な方法で計算をしてくれるでしょうから、しっかりとした税理士を見つければこれは考える必要なく税理士の仕事という事になるのかもしれません。
サラリーマンでも節税はできる
このようにサラリーマンでも不動産投資をしながら節税をすることも当然出来ますから、これはさまざまな事に活用することが出来るという事が分かる一つの例となるはずです。
最近ではサイドビジネスで収益を上げる人も多いはずですし、投資によって利益を得ている人も多いと考えられます。
ような状態では、この減価償却という考え方はいろいろなことに応用できるという事が分かってくるはずです。
不動産投資を一つの事業と考えれば、他の事業と合わせてさまざまなところで節税を考えることが出来るようになるというわけです。
減価償却というのは一つの経費の考え方ですから、これだけで全てを終わらせるのは勿体ないと言えるかもしれません。
確かに物件の減価償却については、上記の2つの方法から選択するだけなのですが、自分が事業をしていると考えて、不動産部門からの収益はこれ副業からの収益はこれ、他の投資の収益はこれというように合わせて考えていくと、さまざまな節税が可能になっていくことが分かります。
物件も単に一つだけで考える必要なく、複数の物件を所有している場合には、それぞれの物件の減価償却を計算して自分に最も有利な方法で計算することが出来るようになるというわけです。
考え方を選択出来るという事は、それだけ幅が出てくることでもありますから、折角のこうした節税チャンスは見逃さないようにしましょう。
わずかな節税と侮ることなかれ
節税の効果がいかに大きなものとなるのかは信じられないぐらいです。
例えば毎月10万円の節税効果があるとすれば、それは1年で120万円となり、10年で1200万円の節税効果となるということです。
不動産の投資は長期にわたることがほとんどですから、10年などは確実に超えていくでしょう。何十年にもわたってその効果は効いてくるわけですから、これをするのとしないのとでは大違い。
不動産投資で最も大切な事は物件を安く獲得することですが、獲得した後に大切になるのはこの節税ということになるのかもしれません。
これを怠ると折角の利益があっという間になくなる事もあり得ます。
投稿者プロフィール

- サラリーマンをしながら不動産投資を始めて、2011年にセミリタイアしました。弊ブログでは「不動産投資のリアル」をテーマに、お金や資産形成の手法について書いています。1983年生まれ・九州出身・某大学商学部卒・既婚
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