ローンを使う落とし穴
不動産投資を行うときには、一棟マンションの失敗事例から適切な方法を学ぶと良いでしょう。
中古であっても金額は高くなるため、ローンを使うのが一般的ですが、ここに落とし穴があります。
初期投資額を抑えたい場合には古い物件の方が良いですが、長期的な借り入れが困難になることがデメリットです。
購入額が安くても月々の支払いが高くなってしまうので、運用自体は順調であってもローンの支出で赤字になり、継続できなくなるケースがあります。
購入費用や手数料などを全て借り入れにするオーバーローンをさせてくれる金融機関もありますが、こちらも同様の問題があります。
新築であれば長期的に返済できますが、それでも借り入れ額が多過ぎるので利息の負担が大きくなってしまい、収益が減少してしまうのがデメリットです。
また、期間が長ければ自分の本業による収入の状況にも変化が起きる可能性も十分あります。
勤務先の業績が好調で昇進し、給与が上がっていればそれを支払いに使えるので良いですが、逆に倒産した場合にはお金が足りなくなって計画が頓挫します。
自分の返済能力を把握して、それに釣り合うようにローンを組むことが重要です。
修繕費と税金を忘れないこと
古い物件の場合には老朽化しているため、修繕の頻度が高くなることも考慮が必要です。
放置していれば入居者の生活に影響を及ぼし、空室になってしまうので対応しなければなりません。
しかし、大規模修繕になると出費も大きくなるので、計画に含めて資金を用意していなければ対応できないので次々に空室ができます。
この状態で不動産投資を断念して売却しようとしても、今度は収益性が低いと見られて買い手が現れず、大幅に値下げすることになってしまうので赤字になってしまう恐れがあります。
どのような支出が発生するのか把握して計画を立てると良いでしょう。
不動産投資には節税効果があると言われていますが、減価償却も理解が必要です。
法定耐用年数から購入に使用した支出額を配分しますが、中古であればこの期間が短くなり、すぐに支出が増えます。
状況によっては投資の支出は黒字になっていても、税金を支払うお金が手元になくて失敗してしまうケースもあります。
鉄筋コンクリートの新築物件であれば期間は長くなりますが、逆に減価償却が少なくなって生活が圧迫され、断念することになる場合もあるため注意しましょう。
家賃保証のメリットとデメリット
家賃保証と呼ばれる制度がありますが、これも利用者の視点ではメリットではなくデメリットになる面が多いので、過信はできません。
不動産投資を行うときの不安の1つが空室リスクであり、一棟マンションになれば部屋数が増えるので満室にするのが難しくなります。
空室ができればその分の家賃収入が減ってしまい、赤字になる場合もあります。
また、満室であっても入居者が家賃を滞納することがあり、この場合も減収になってしまうことが問題です。
家賃保証には様々なものがありますが、基本的には空室ができたり滞納があった場合でも支払いをしてくれる制度であり、収入が安定するので計画を立てやすくなることがメリットです。
ただし、不動産会社に支払う手数料が高くなってしまうデメリットがあり、これが収益を減らす要因になります。
新築の物件であれば満室にするのは難しいことではなく、必要なのはマンションの管理と家賃の徴収です。
これだけを代行している管理会社もあり、手数料が安くなるので収益を減らさずに済みます。
中古マンションに対して家賃保証してくれる不動産会社もありますが、この場合はそのマンションが本当にお買い得なのか、という点が問題です。
長期的に運用するよりも売却した方がすぐに利益になるため、好条件の物件が売り出されている場合もありますが、実際には利益を出すのが難しいので自社では直接運用しないものも存在しています。
投資用のマンションを販売している不動産会社にとって、物件を売却することまでが最も重要であり、それ以降は収益が出るかということまで保証してくれるものではありません。
利回りと保険
利回りも相場を把握して計画を立てないと失敗します。
計算の基になる家賃が相場より高ければ満室にするのは難しいため、同じようなマンションの家賃がいくらであれば妥当なのか把握してきましょう。
一棟マンションの立地も事前に十分な調査を行わないと失敗することがあります。
いくつもの要因がありますが、その地域の需要の根拠になっているものが特定の施設だった場合、1つだけしかなければ移転などでなくなると空室に繋がります。
次々にマンションの建設が進むような地域では、人口が多くても住宅も十分にあるため需要が下がって家賃の引き下げになることが問題です。
また、天変地異の対策で保険に入ることも重要ですが、立地選びで回避できる災害もあります。
近年増加している大雨による水害はハザードマップなどを見れば危険性の確認が可能です。
浸水の被害にあった物件は評価が下がり、売却の際に安くなってしまうため、このような地域は避けた方が良いでしょう。
投稿者プロフィール

- サラリーマンをしながら不動産投資を始めて、2011年にセミリタイアしました。弊ブログでは「不動産投資のリアル」をテーマに、お金や資産形成の手法について書いています。1983年生まれ・九州出身・某大学商学部卒・既婚
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