低金利政策による変化
老後の安定したキャッシュフローや相続税対策として不動産投資がここ10年ぐらい活況を迎えています。
当初はアパートやマンションの購入が一般的でしたが、今では一棟まるまる買い上げたり、シェアハウスに簡易宿泊所、それにボロ不動産など様々なものが投資の対象となっています。
銀行などの金融機関も低金利政策やマイナス金利の影響により利益を出しにくい情勢になってきました。
今までは銀行預入を一般人や企業からして頂いたお金を資金を、必要としている企業に貸し出す事で莫大な利益をあげる事ができていましたが、低金利政策というのは必然と貸し出す金利も下がってきますので利益が出にくくなっているという訳です。
そんな銀行が着目したのが不動産投資をしている一般投資家というわけで、その方向けに貸し出しを増やしてきました。特に地方銀行の一部では収益の落ち込みが著しく振込手数料やATMの引出手数料をあげるだけでは間に合わず不動産投資への貸し出しを増やしてきたのが現状です。
とある事件
そんな背景もあってか活況となっています。
ですが2017年末から2018年にかけて多少様相が変化してきました。
それはシェアハウスの管理会社は投資家とサブリース契約を締結していたのですが、その毎月オーナーに払っている賃料が払えなくなったとして減額を申し入れ、渋々受け入れてもらっているところに、今度は全額払えず結局は破産してしまったという事実が判明しました。
全容解明には至っていませんが、ニュースになっている記事を拾っていくと、不動産のオーナーに市価より高い価格でシェアハウスを建築させ、余剰部分を建築会社から販売した業者にキックバックをさせるというスキームを組んでいました。
それだけなら違法と言えませんが、高い価格で売るという事はそれだけ高い属性の方を集める必要があります。
実際にそのオーナーになられた方は東証一部上場の年収の高いサラリーマンや医者、それに弁護士など属性の高い方との事です。
そして融資を受ける銀行への申込書で年収の金額が偽装されるなどが認められる事から金融庁を巻き込んだ大きな事件へと発展しそうな気配が漂っております。
また不動産を販売、あるいは紹介した会社とサブリースをしている会社が近い関係にあるというのも問題です。
何故なら仮に不動産を売るのが目的で、予めサブリースを途中で切り上げるスキームを仕組んでいた場合、損を被るのは投資家だからです。
販売した会社とサブリースしている会社が全く関係がないような所であればそういったものは防げますが自転車操業を前提としていた場合、太刀打ちする事ができないのです。
シェアハウスの住人からの評判
もともと、このシェアハウスは住人からも不人気との事でした。
何故なら居住スペースを詰め込んで共有スペースがほとんどなかったためです。
通常は住人との交流を楽しむために入居するものですが、本末転倒な事に個人の部屋を設置するだけ設置して共有スペースは後回しにした事から住人には不人気でした。
そして部屋を仕切る壁が薄いため隣の住人の電話の話し声などが丸聞こえとなってしまう事からトラブルに発展する事も多々ありました。
そして何と言っても最も頂けないのは毎月の賃料があまり安くない点も魅力にかけます。
何故こういった事が発生するのかというとカタログを見せてオーナーに販売する時に、部屋数や想定賃料を見せて、毎月の収入額がこのくらいになるという説明をしますので、入居者の事を考えているわけではなくオーナー向けの説明をしたいがためにこういった説明になってしまったのです。
このような不人気物件ですから入居者が増えるはずもなく、会社の説明では入居率90%程度との事でしたが、実際に調べてみるとせいぜい40%が本当の所でした。
そのぐらいしか入居者がいなければ破綻するのは目に見えていたわけですが、新規にオーナーを募り割高な建築費をオーナーに負担させ、管理会社はキックバックを受けていたわけです。
きちんとした会社もあります
とは言うものの、シェアハウスの中には真面目に運営している管理会社も多くあります。
そういったところはきちんと共有スペースもあり住人同士のトラブルも少なくインターネットの書き込みを見ても良好なものが目立ちます。
それに今後はどんどん伸びていく分野でもあるのです。
日本は今少子高齢化が進んでいて超高齢社会へと進んでいます。
それに伴って一人暮らしの家庭が多く出てきますが、一人だと何かと不便ですし寂しく感じる事も多くあるでしょう。
そういった層がコミュニケーションを求めてやってくる事が想定できます。
また外国人観光客、あるいは少し長めに滞在する方が宿泊先として選ぶ事もあるでしょう。
そういった需要を見込む事ができますので不動産投資の対象として必ずしも駄目だという訳ではありません。
簡易宿泊所や民泊なども今後伸びが期待できますし、新しい宿泊先の形として注目の一角を占めていますので今後の動きには注目に値します。
投稿者プロフィール

- サラリーマンをしながら不動産投資を始めて、2011年にセミリタイアしました。弊ブログでは「不動産投資のリアル」をテーマに、お金や資産形成の手法について書いています。1983年生まれ・九州出身・某大学商学部卒・既婚
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