売却時はプロに相談しよう
ワンルームマンションを投資物件売却する場合には、所有権などの権利関係の手続きを行ってもらうために司法書士に相談しておく必要があります。
一般的に、収益物件に関する売買の負担はその物件を保有していた元の売主が負担しなくてはならない割合が大きいです。
特に、登記手続きに関しては売却時に売主が負担しなくてはいけません。
登記とは、簡潔に述べると不動産に関連する権利関係をまとめたもののことを意味します。
こうした権利関係をまとめたものを、一般的に登記簿といいます。
不動産に関して誰が所有権を有しているかなどを確認する際には、この登記簿を確認することが通常です。
売主側で必要となる手続きとは
権利関係の中でも、所有権移転登記に関しては買い主負担となることが普通です。
しかし、それ以外の権利関係に関しては売主が登記手続きを行わなくてはいけません。
売主側で必要になる手続きとしては、登記名義人の十種変更と収益物件の売却に関する手続きなどです。
氏名変更等については、結婚などで氏名が変更している場合には氏名変更登記が必要になります。
住所変更登記と同様の方法で変更が可能であるため、司法書士に対してきちんと情報を提供しておく必要があります。
実際に変更する場合には、氏名変更に関する添付書類を渡す必要があるのです。
これは、運転免許証や保険証といった一般的に本人確認を行う際の身分証明書ではなく、戸籍謄本というきちんとしたものが必要になります。
仮に、戸籍謄本で氏名が変更した経緯を確認できないような事情が存在する場合には、上申書を作成して手続きを行わなくてはいけないのでこの点には注意をしておきましょう。
これらの手続きは自分でも行うことができますが専門家に任せた方が楽に済むため、理解できない際には事前に相談しておく必要があります。
登録免許税に関しては、1不動産あたりで1,000円が相場です。
相続登記があった場合
ただ、こうした所有者の変更登記について一つだけ厄介な点も存在します。
それは、相続登記に関してです。
これがあった場合には、自分で処理を行うのではなく司法書士にすべて任せた方が無難だといえます。
日本国内における相続登記に関しては、外国人に関する登記もすべて含まれます。
例えば、ワンルームマンションに関わる所有者に外国人の権利者が相続で関わっていた場合には、その外国人の当該情報を取得しなくてはいけません。
外国人に関する投機については渉外登記という別枠の登記で実施しなくてはならず、このために必要になる書類や手続きはかなり面倒で複雑になります。
例えば、相手国に相続に関する取り決めが存在する場合にはその取り決めに従わなくてはいけませんし、なかった場合には日本国を基準とした手続きをしなくてはいけません。
それだけではなく、必要な書類を大使館などから取り寄せなくてはいけません。
本当に亡くなった人が外国籍を有していたのかを確認する必要があります。
その人の翻刻の大使館に連絡をして必要書類を提供してもらうことになります。
ですから、ワンルームマンションで外国籍の相続が関わっていたケースでは要注意です。
ローンがあった場合
また、投資物件売却に関わったワンルームマンションにローンが存在していた場合には、抵当権抹消登記も行う必要があります。抵当権というのは、不動産に設定されている担保に関する権利のことを意味します。
普通、金融機関から大きな金銭を借りる場合には、その金銭に相当する担保を預けなくてはいけません。
不動産の場合は、実物の担保を用意できない人に対してこれから購入しようと考えている物件を担保に入れて、返済できなくなったときにその不動産を借金返済の保証とすることが一般的となっています。
この時に設定されるのが、抵当権と呼ばれる権利です。
抵当権が存在するということは、当該不動産にローンが未だに存在していることを意味します。
ですから、抵当権の抹消手続きを行って、金融機関側の権利が存在しないことをきちんと証明しなくてはいけません。
抵当権が存在しないということは、借金が完済されているということを意味しますのでこの手続きは非常に大切な手続きです。
抵当権抹消登記は法務局に申請する必要がありますので、この点も間違わないようにしておきましょう。
このように、ワンルームマンションを投資物件として売却する場合には、売主側で手続きをしなくてはならない登記手続きがあります。
特に、当該物件が相続をした物件であった場合や外国人が関わっていた場合には特殊な手続きが必要です。
不動産に関しては、ローンの問題などで権利関係が複雑になっているケースも十分に考えられますので、そうした権利が存在しないということを抹消手続きなどによってきちんと証明しなくてはいけません。
そうした売主側の登記手続きが完了して、初めて投資物件売却は安全に終えることができるのです。
そして、こうした手続きが複雑だと感じる場合には、登記手続きに詳しい司法書士に相談することが賢明です。
投稿者プロフィール

- サラリーマンをしながら不動産投資を始めて、2011年にセミリタイアしました。弊ブログでは「不動産投資のリアル」をテーマに、お金や資産形成の手法について書いています。1983年生まれ・九州出身・某大学商学部卒・既婚
最新の投稿
不動産情報2018.10.01海外の不動産投資でフィリピンの物件価格はどうなっているのか
不動産投資知識2018.09.24サラリーマンが不動産投資を始める時に最低限必要な知識について
不動産投資知識2018.09.17海外の不動産投資は人気がありますが失敗しない仲介業者を選ぶことが大切です
ワンルームマンション2018.09.10中古ワンルームマンションを購入し家賃という不労所得を得て毎月の手取りを増やす不動産投資